痛風
部位足関節 症状痛み
原因炎症性 対処専門医の診断

母趾MP関節に発作性の激痛を訴える男性には,まず本症を考える。血清尿酸値を調べる。

痛風(高尿酸血症)の病理

痛風とは、高尿酸血症といって、血液中の尿酸が異常に増加(7.0mg/dl以上)した状態が続いた結果、血管からしみだした尿酸の結晶が関節に沈着して関節のはれや痛みを起こす病気です。
 高尿酸血症では肥満、高脂血症、耐糖能異常、高血圧症をよく合併します。

原因
尿酸は核酸の構成成分のひとつであるプリン体の代謝過程の最終産物ですが、通常は腎臓から尿とともに排泄されるため、血液中に含まれる量は一定(血液1dl中、男子4〜7mg、女子3〜5.5mg)に保たれています。しかし、プリン体の先天的代謝異常で尿酸の産出が多かったり(産生過剰型)尿酸の排泄能力が低かったりする(排泄低下型)と、正常値以上に尿酸がふえて痛風を引き起こします(二次性の痛風)。
 また腎不全や飲酒、悪性腫瘍、あるいは降圧・利尿剤の服用などによって高尿酸血症が起こる二次性の痛風もあります。
 ただし、高尿酸血症の人すべてが痛風になるわけではありません。健康な人の血液を調べると全体の1〜2割の人は高尿酸血症ですが、そのうち痛風を起こしている人はごくわずかです。なお痛風の発症率の男女比が10対1ということからもわかるように、圧倒的に男性(とくに中年以上)に多い病気ですが、二次性の場合は、女性の比率が高くなります。家系内に高尿酸血症あるいは痛風患者を有するものが50%以上に達する事と、肥った体形で精力的な人に多い事などから、遺伝的素因が関与していると考えられます。

痛風(高尿酸血症)の症状

最も多い症状は足の親指つけ根の激痛で、患部は熱をもって赤くはれあがります。痛みは放置しても2〜7日で治りますが、発作をくり返すごとに痛みの間隔が短くなり、痛みが長く続くようになります。
 二回目以降になると、ひざ、ひじ、指などの関節に痛みがあらわれることもありますが、リウマチと異なり、一度に多くの場所が痛むことはあまりありません。症状が慢性化すると、耳介や親指、ひじ、ひざなどの関節に尿酸の結晶がたまって痛風結節というふくらみができ、さらに病気が進行すると、骨の一部が尿酸のよって破壊されることもあります。
 その一方で腎臓にも尿酸が沈着して腎機能が低下し、最終的には痛風腎と呼ばれる腎不全をまねくほか、脳や心臓に血管障害を起こしやすくなります。

医療機関での検査と診断

血液検査をすると、血清尿酸値7.0mg/dl以上(多くの場合は7.9mg/dl以上)の高尿酸血症を示します。
 また痛風発作中には血沈の亢進、CRPの上昇など炎症が起きていることを示す所見がみられ、発作中の関節穿刺により尿酸塩結晶を偏光顕微鏡で証明すれば確実です。

医療機関での保存的治療法

主に三種類の薬が使われています。ひとつは急性発作を抑える薬です。
  なかでもコルヒチンが特効的で、診断にも使われます。消炎鎮痛薬のナプロキセンも発作抑制に用いられます。また尿酸排泄低下型の高尿酸血症には、尿酸排泄促進剤を少量から内服します。この場合、尿酸で尿路結石ができないように水を多量に摂取して、一日2g以上の尿を排泄するようにし、同時に尿をアルカリ性に保つために重曹またはクエン酸カリウム、クエン酸ナトリウムを内服します。
 尿酸産生過剰型の高尿酸血症には、アロプリノールなどの尿酸合成阻害剤を用います。

日常生活での対処法

食生活面では、モツ、レバー、肉、小魚、バター、クリーム、アスパラガス、ホウレン草、アルコール類(とくにビール、赤ブドウ酒)など、プリン体を多く含む食品を制限することはあまり重視されなくなりましたが、暴飲暴食は避けるべきです。痛風は薬と食事でコントロールできる病気ですが、そのためにカロリーを制限して肥満を避けなければなりません。また、放置すれば10年以内に結節をともなう比較的重症の痛風となるので、早期の治療が大切です。

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