大腿骨頭壊死症
部位股関節 症状痛み
原因炎症性 対処専門医の診断

太ももの骨の端の球形の部分(骨頭)が壊死を起こし、骨頭がつぶれて痛みや歩行困難を起こす。 先天股脱などの既往がなくて股関節痛が出現したら,本症を考える。A:ステロイド性は20,30歳台に,B:アルコール性・特発性は40歳以降に多い。両側発生例が多いので,疑わしい例には両側のMRI検査を行う。

大腿骨頭壊死症の病理

体のほかの細胞と同様、骨の細胞も、血液から酸素や栄養を受け取って生きています。そのため、血液の供給がなくなると、骨細胞は死んでしまいます(壊死)。 「大腿骨頭壊死症」は、大腿骨の先端にある球形の部分(骨頭)への血流が、何らかの原因で絶たれ、骨頭の一部や大部分が壊死してしまう病気です。
原因
 最近では、症例の約半数がステロイド(副腎皮質ホルモン)薬の副作用を原因としています。例えば、全身性エリテマトーデス(SLE)などの治療で、大量にステロイド薬を用いている場合に、発病しやすくなります。ステロイド薬を原因とする大腿骨頭壊死症は、男女ほぼ同数といわれています。
 症例の1/4程度は、アルコールが原因です。男性に発病する場合は、アルコールを原因とすることが多くなっています。
 症例全体としては2〜3対1で男性が多く、発病年齢は40歳代が中心です。
 ステロイド薬やアルコールによって、なぜ大腿骨頭への血流が滞るのかは、はっきりはわかっていません。
 残る1/4は、原因がわからないケースです。

大腿骨頭壊死症の症状

壊死を起こした大腿骨頭は、つぶれやすくなっています。壊死だけでは症状は現れませんが、体重などがかかって、大腿骨頭がつぶれると、症状が出てきます。
 つぶれたときは、股関節や太もも、膝にかけて、突発的に痛みを感じます。最初に、膝関節の痛みを感じる人もいます。その後、安静にしていれば、痛みは軽くなります。
 しかし徐々に、歩くと痛みが現れるようになり、やがて安静にしていても、痛みが現れ、治まらなくなっていきます。
 進行すると、歩くことが困難になります。また、大腿骨頭だけでなく、受け皿である骨盤の臼蓋も、障害されることがあります。

医療機関での診断

薬やアルコールが原因になることが多いので、問診で、病歴や使用している薬、日常の生活などが詳しく聞かれます。そのことが、診断には非常に重要になります。その後、エックス線撮影を行えば、たいていは確定診断できます。
エックス線で所見のない初期には、MRI(磁気共鳴画像)検査が効果的です。SLEなどでステロイド薬の大量使用を始めると、発病しやすくなります。そのため、ステロイド治療を開始した人には、MRI検査が行われ、症状が出る前に発病を発見するようにします。

医療機関での保存的治療法

壊死の範囲が小さく、つぶれも少ない場合や、壊死の範囲が大きくてもつぶれていない場合は、手術以外の治療(保存療法)を行います。
 保存療法のひとつは、薬物療法です。「消炎鎮痛薬」を用いて、痛みの症状をコントロールします。
 もうひとつ大切なのが、できるだけ大腿骨頭をつぶさないための「生活指導」です。
 日常生活の動作で無理をすると、大腿骨頭に負担がかかり、大きくつぶしてしまうことがあります。そこで生活指導を行って、日常の立ち座り、階段の上り下りなどの仕方を患者さんに覚えてもらいます。例えば、立つときは手をついたり、悪いほうの脚を前にして立つと、股関節にかかる負担が軽くなります。
 股関節に負担をかけないよう、体重コントロールも大切です。

医療機関での手術療法

壊死の範囲が大きいなどで、骨頭がつぶれやすかったり、歩行障害が重いようなときは、手術を考えます。

進行していない場合
壊死部分にかかる負担を軽減する目的で、骨頭の位置をずらすこつ「骨切り術」が行われます。これにより、骨頭がつぶれるのを防ぎます。
 壊死したりつぶれた部分を削り、ほかの部位の骨と血管を移植する、「骨移植術」という方法もあります。
進行している場合
骨頭の大部分が壊死しているときは、人工骨頭に入れ替える「人工骨頭置換術」が行われます。  骨盤の臼蓋も損傷している場合は、骨頭だけでなく、臼蓋も入れ替える「人工股関節置換術」を行う必要があります。
一般に、入院期間は3〜6週間、回復までは3か月ほどかかります。なお、人工骨頭にしても人工股関節にしても、体に異物を入れるので、手術後は定期的に検査を行います。

日常生活での対処法

日常生活の動作で無理をすると、大腿骨頭に負担がかかり、大きくつぶしてしまうことがあります。そこで生活指導を行って、日常の立ち座り、階段の上り下りなどの仕方を患者さんに覚えてもらいます。例えば、立つときは手をついたり、悪いほうの脚を前にして立つと、股関節にかかる負担が軽くなります。

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