手掌の仕組みと症状

手の関節

手や指は、「物をつかむ、握る、触れた感覚を脳に伝える」といった、非常に重要な役割を果たしています。そうした手や指の繊細な動きを可能にするために、手には、橈骨と尺骨および8個の手根骨から成る手関節や、指の関節など、多数の関節があります。そのため、手は、関節を形成する小さな骨や関節を動かす筋肉、腱、靭帯、神経などが、複雑に入り組んでいて、その複雑な構造が、手の病気の遠因になる場合があります。
 例えば、指の関節を動かす腱は、「腱鞘」という鞘のようなものに包まれていますが、指を動かすたびに、腱と腱鞘がこすれるため、指を使う人ほど、炎症が起きやすくなります。また、指先に伸びている神経は、手首のところで、手の骨と靭帯によって構成された「手根管」を通ります。もし、手根管の内部が狭くなると、神経が圧迫されて、しびれなどの症状が起こります(手根管症候群)。

手関節部の痛みと変形

手、手首が痛い原因には、腱鞘炎(ばね指、ドケルバン病)、手指や手首の変形性手関節症月状骨軟化症 (キーンベックKienbock病)慢性関節リウマチ、などが考えられます。
 ドケルバン病では、親指を内側に入れてこぶしをつくろうとすると、手首の親指側が痛くなります。ばね指は、指を曲げたときに指の付け根が痛みます。手指の変形性関節症では、指先から1番目や2番目の関節が腫れ、動かすと痛みます。
 手首を曲げたときに、中央部が痛む場合はキーンベック病が疑われ、小指側が痛む場合は、手首の変形性関節症が疑われます。また、慢性関節リウマチでは、指の関節に痛みとこわばりが現れます。
 手の変形を招く病気には、肘部管症候群、手指の変形性関節症、ガングリオン慢性関節リウマチなどがあります。肘部管症候群の場合は、小指と薬指の指先から1番目と2番目の関節が曲がり、指の付け根の関節が伸びた状態の変形(かぎ爪指)を呈することがあります。手指の変形性関節症では、指先から1番目や2番目の関節が腫れます。
 ガングリオンは良性のこぶ(腫瘤)で、手首などにできます。慢性関節リウマチの場合は、指の付け根の関節や手首の関節が腫れます。
 他に、手関節部の痛みや変形の原因となる疾患には、 コーレス(Colles)骨折,その後遺症手舟状骨偽関節三角線維軟骨 複合体(TFCC) 損傷手根不安定症尺骨突き上げ症候群手関節結核、などがあります。

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